◇ 破魔矢堂 徒然館 ○ 好 事 ■ 収集徒然 〜回想〜 | |
此処数年?の間にオンライン書店はあって然るべきサービスとしてその存在があたりまえのものとなった。
誰でも簡単に洋書が入手出来るようになり、店主が洋書を買い始めた頃に比べると、その便利さには天と地の差。思えば世の中便利になったものである。店頭で本を選ぶ楽しみが減ってきたのは寂しいかぎりだが・・・ ◆ 始めの一歩
そう、思えば洋書収集の発端は映画のTV宣伝だったのである・・・ ◆ 泥沼へ一直線
当初はスタートレック系とオカルト・超自然関連の本のみだったのが、当然国内で出回っているその分野の洋書など或る程度(入手出来る範囲で)読み尽くし現象が起こる。そんな時、手持ち無沙汰で思わず買ったファンタジー本がその後の運命を決めてしまった。長い長い付き合いの始まりである。書店で「Books-in-Print」という書籍総目録を捲りながら、一冊一冊希望の本を注文用紙に記入したり、一枚の紙にずらりと書名と並べたリストを洋書店のレジに持っていったりと、今ではしない行為の数々。半年や一年入荷の連絡を待ち続けた事も度々である。
きっかけは忘れたが、ある日アメリカの通販書店を知った。直接手紙を書いてカタログを取り寄せ、支払い方法等も問合せてみると日本の書店に注文するより効率が良さそうである。このカタログ取り寄せがジャンル買いの始まりとなったのは言うまでもない。 当時はクレジットカードを取り扱う通販書店もあまり見かけず、郵便局や銀行で国際小為替を作成して書留で郵送する方法が殆ど。ドイツは郵便局の振替口座間のやり取りが出来たので、わざわざ振替口座を作ったりもした。問合せにしろ、クレームにしろ、手紙の往復と予備日で数週間はかかるのがざらであったから、書籍購入に関しては必然的に気長になったようだ。今の電子メールの有り難さが身にしみる。 ◆ 更なる深みへ
当然、欲は出てくるもので、品切れだ絶版だと言われると何とかして手に入れたいと思うのが人の情。和書なら古書店に足を運べばそれなりに入手出来るが、洋書では何軒かある神保町界隈の古書店しか思いつかない。(神保町の東京泰文社はお気に入りの店だった。見たことの無いファンタジー本が無造作に山積の下に埋もれていたり、発掘のしがいがあった・・・嗚呼懐かしい 閉店したのが残念だ)
それでは所詮限界があるので、何とかならないかと思いつつ情報を集めると、あちらさんの新聞の広告欄♪ そこで古書を扱うカナダやアメリカの通販業者を知ると、さっそくカタログの取り寄せを開始した。見たことのないタイトルから品切れと言われた本まで色々載っている。それから数年は新刊と古書の両方共カタログと睨めっこしながら買い漁っていく至福の時であった。
一度買うと定期的にカタログを送ってくれるのが通販書店の良いところ。おかげでかなりの品切れ/絶版本を入手。当時は出版社自体も印刷したカタログを送付してくれたので結構直接購入もしていた。こうして着々と(?)現在の埋没状態への道を歩んでいくことになる。 アメリカやイギリスのSF/Fantasy系ブック倶楽部(Science Fiction Book Club、Encounters)にも入会して、毎月安価に本の購入をしたりもした。残念ながらそのプログラムが中止になったり、海外の会員不可、といった方向に動いてしまったのだが・・・楽しい経験であったことは言うまでも無い。 ◆ 怒涛のネット時代
何時の間にかパソコンが普及し、手紙のやり取りよりも電子メールでのやり取りの方が多くなってきた。支払いにしてもクレジットカード全盛となり、態々手数料のかかる為替を作ることもなくなった。便利になった反面、これまで付き合いのあった書店は新しいサービスと安い値段を売りにした大型ネット書店のあおりを受けてかなり厳しい状況のようだ。出版社自体も身売りや買収でグループがあっちへ行ったりこっちへ来たり、方針が変わってしまったり・・・と変化の激しい時代に突入。そんな中で、今でも印刷されたカタログを送ってくれる書店は嬉しいものである。大型ネット書店の方が安価なのは分かっているが、結構未だに馴染みの書店を利用している。船や飛行機に乗っていく手紙が一瞬で届く電子メールに変わったとしても、長年の付き合いは相変わらずである。初版本でなければイラナイとか、こんな本が出ているそうだが情報あるか・・・とか、そんな事を頼めるのも「人」が介在する専門書店の味わいである。
残念なのが、閉店してしまった国内の洋書店。昔から足しげく通っていたのだが、不況の波に呑まれて閉店してしまった。高田馬場の洋書ビブロスや銀座イエナ書店。御茶ノ水の三省堂洋書コーナーも一昔前に比べると新刊小説のコーナーが縮小している。偶然の出会いや、見落としていた本との遭遇がなくなってしまった。残念なことである。 ◆ 埋没の日々
狭い部屋には空間に限界がある。たかだか5桁を何千冊か越えた冊数だとしても、置き場所はなくなるのである。昔は文字も小さく、本の厚さも1cm未満というペーパーバックスが主流だったが、今では意地悪く(?)も弁当箱である。ハードカバーも分厚い。酷い場合は昔の本なら10冊入った場所も2冊程度で埋まってしまう。初版と最近再版された本を比べると、厚さが二倍になっていたり・・・場所食い虫である・・・と、ぼやきつつ、仕方ないので箱買いを続ける日々が続く。(送料節約になるので箱買い中心) 結局根本的な解決策は・・・無い。まぁ何とかなるだろうと開き直って今日も雑誌で新刊チェック。(←それで良いのか?!>自分)
空間占有率で思い出したが、ここ数年で表舞台に出てきた電子ブックなるもの。確かに場所は取らないが、私は「データ」に愛着を覚える事はない。データでしか読めないものは仕方が無いが、印刷された『本』があるなら、多少割高でもそちらを購入する。どんなに場所がなくても紙とインクの『書物』が私は好きである。 ★★ 終 ★★ 此処までのお付き合い、多謝 m(_ _m)ペコリ | |
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