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倉阪鬼一郎
〜 平成陰陽師国防指令 〜
”平成”のサブタイトルが示すように、現代版陰陽師の登場である。ホラー作家である作者の初の伝奇物。
日本の霊的国防を司る陰陽師、中橋空斎。彼は占いにより未曾有の大凶事が迫っていることを知る。「大凶事」の正体を探ろうとする中橋だが、なかなか把握することが出来ない。一方友人である作家の神山は、出土した亀の甲羅の謎を追う。瑞祥であるはずの「亀」が、何故辺鄙な場所に葬られるように埋められていたのか? 中橋の探る未曾有の凶事と、出土した亀の甲羅の関係は・・・? そしてその凶事とは? 一件普通の伝奇物のように始まる本書は、ホラー作家の作品らしくホラー的要素が多々含まれており、しかも最後ではとんでもない展開を見せる。謎を追う主人公と、偶然別の線からその謎の真髄に迫ってしまう友人。 「謎」を解明していく過程はごく普通なのだが、行き着く先がとんでもないところになっている。思わず「な、なんなんだこれは?!」と思わせる(ある意味笑ってしまうのだが)という結末を迎える。良くある陰陽師物のような雰囲気は全くなく、クライマックスで用いる手段(道具)も少々変り種であるが、特筆すべきは凶事の正体であろう。(笑うところでは無いのだが・・・笑ってしまった・・・) ここまでふっとんでくれると後は娯楽として楽しむだけである。謎の解明の過程はしっかり描きこんであるので、一風変った現代のスラップスティック系ホラー陰陽師モノとして一読されては如何? | ||
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