早川文庫FTから「冬の狼」「アランの舞人」「北の娘」(アラン史略 全三巻) の翻訳が出ている。何れもお勧めのファンタジー。

トルノール（Tornor）年代記三部作 （邦訳ではアラン史略）の著者によるファンタジー分野で久々の新刊。人狼などのシェイプ・チェンジャーが珍しくない世界のお話。 イッパ王国は竜王により治められていた。文字どおり竜に変化する血筋である。 王のコジロー・アンタニに双子の王子が生まれたが、弟のテンジローは変身能力を受け継がなかった。彼は魔法を学び、憎い兄から兄の友であり恋人であったアジルを使って変身するために必要な石を奪ってしまう。 竜になることが出来なくなったカラドゥール。テンジローは魔物を使って周りを破壊していく。だが、テンジローも古の悪に取りつかれ、人の体を失うのであった。カラドゥールは竜になることが出来るのか・・・

オーソドックスな筋立ての話で、普通のレベル。ただ名称に日本語らしき物を多用しており、私的には若干違和感が否めない。テンジロウだのアンコクって・・・なんか変・・・ ^^;) 尤もこれは内容には関係ないので、 あまり此処ではこだわらないことにする。 キャラクター的には面白い素材が溢れているが、その全てを彫り込もうとして失敗している。もう少し絞り込んで焦点を絞った方が深みのある作品になっていた。最後の方では所謂アンチクライマックス的終わり方をしており、 首を捻ってしまったが、カバーの裏を見たら・・・続くらしい・・・ 今後どう展開するか、それなりに楽しみ。