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多戸雅之というペンネーム等がある作家。女性向け作品であるが、『ショウ&クラウド』や結末が未出版の『夢幻不思議草紙・七宝綺譚』等、
個性豊かなキャラクターを特徴とした楽しめる作品が多い。
やさしい竜の殺しかた (角川スニーカーブックス 小林智美・画)
ゲーム感覚の設定に基づく娯楽編。RPGのような雰囲気はどうしても馴染めなかった部分である。物語り全体は、作者独特のノリの軽さと重いテーマが混在しシェークされたような語り口で展開されている。固有名詞の選択に些か退いてしまったが、全体としてテンポが良く一気に読了できる。ただし、これは所謂女性読者向け作品と分類されるので、その傾向が大丈夫な場合のみお勧めする。定盤の漫才コンビやネジのずれた竜王達が個性豊か。キャラクターも生き生きと描かれており性格把握は容易い。一巻のみの完結としても読むことが可能。むしろ中途半端が嫌いな方は一巻だけに留めておいた方が良いかもしれない。二冊目は一巻の終わりを受けて更に三巻に繋がっているので良しとするが、三巻目は無難なハッピーエンドに纏めているにしては全体を通して中途半端な印象が拭えない。後もう一冊くらい続けた方がすっきりと完結できたような気がする。津守氏の他の作品同様、性格の壊れた登場人物達がお気に入り。
一巻目:完結 (起)→ 二巻目:承転 → 三巻目:転 結 と言う感じ。 尚、このシリーズは文庫に落ちているが絶対こちらのスニーカーブックス版がお勧め。(あくまで好みの問題だが、小林氏のイラストの方が素敵♪)
残念ながらスニーカーブックス版は在庫切れのようだが、スニーカー文庫版は入手可能。
喪神の碑シリーズ (角川スニーカー文庫 小林智美・画)
死滅した惑星ラフェール。ここは天使のように美しい超能力者達の星だった。ロヴ・ジョナサンは求人広告の求めに応じて、 ラフェール星の王子マリリアードを艦長とする「黄金のイルカ号」に乗り込むことになる。 この船は、伝染病で滅んだラフェール文明を再興する使命を帯びて出航する。ラフェール星滅亡の真の原因は? 文明再興の阻止に暗躍する秘密結社「ウロボロス」の正体は? そして不治の伝染病に感染しているマリリアードは目的を果たすことが出来るのか? ロヴの視点を通して描かれるこのシリーズは、ユーモア・展開・登場人物の魅力において絶対お薦め。 マリリン(マリリアード)とオリビエ(通称O2)、超絶美形で性格の歪んだ二人の掛け合い漫才が止められない(両方とも女性名みたい・・・でも男性 ^^;。)
『喪神の碑』に出たキャラクターも登場している同じ宇宙の別シリーズもあり。(「三千世界の鴉を殺し」シリーズ)
1 ラフェールの末裔
ラフェール人にしか感染しないウィルスによって死滅したラフェール星。その文明を再興するのが「黄金のイルカ号」の目的だった。 この船の船長、マリリアードはラフェール王家の王子で、シタン病ウィルスに感染していた。船には再興計画に賛同する生き残りのラフェール人が 乗り込み、ラフェール星系へと向かう。その船に乗り込むことになったロヴ。だがその計画を妨害しようとする組織があった・・・
2 ウロボロスの影
ウロボロスの情報を掴む為にシタン病を再発したマリリンは、銀河連邦軍のオリビエの手配で治療のため学都惑星那藜に向かう。 しかし、そこにも既にウロボロスの手が伸びていた。両親である学長夫妻殺害の容疑をかけられたオリビエ。共に捕まったマリリンとロヴ。 彼らはウロボロスの手から逃れ、那藜を離れることが出来るのか・・・?
3 カイユの封印
那藜を脱出し、ラフェール星系に向かうマリリン達。だがシタン病ウィルスを抑制する薬は、マリリンの命を確かに縮めていくのだった。 途中立ち寄ったコロニーにもウロボロスが罠を張っていた。ロヴが負傷し、乗組員のシオは拉致される。そして目的地カイユへ向かう彼らに 捨て身の攻撃を仕掛ける。マリリンはシタン病再発の危険を冒して船を救う為に超能力を解放した。シタン病に倒れたマリリンは助かるのか?
4 フィラルの戒厳令
シタン病の治療のため一人ラフェール王宮の地下に残るマリリン。拉致されたシオを救出したオリビエは更なるウロボロスの陰謀を掴んだ。 惑星フィラルに残ったオリビエは、しかしウロボロスの手に落ちてしまう。再び行動が出来るようになったマリリンは、ウロボロスの陰謀を 打ち砕きラフェール文明再興の地であるカイユを守る為に暗躍をする。一方、オリビエの窮状を知ったマリリンは救出に敵地に乗り込むが・・・
5 エリノアの光輪
残り少ない時間しかないマリリンはカイユの安全を守るために工作を始めた。 そして那藜からは叔父にあたるナヴァルフォールが文明再興の手助けをするためにカイユにやって来た。 内部分裂を起こすウロボロス。瀕死だったオリビエは復活するのか、死期が近づくマリリンは? そしてラフェール星を滅ぼした黒幕の正体が明らかになる。
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